楓蒔絵 硯箱(かえでまきえ すずりばこ)

清水九兵衛作 象彦蔵


 

本品は、銀縁被蓋(ぎんぶちかぶせぶた)の硯箱で、
蓋表には青楓の折枝、蓋裏には紅葉の一木が平目地の中に
研出し(どぎだし)蒔絵で描かれ、身内側には青楓、
紅葉の葉が研出蒔絵で描かれている。
硯箱全体で春秋の楓の風情を表現した作品である。

内部にはむら梨子地の大小の筆と、銅に七宝で色付けされた
鳥兜(とりかぶと)を形どった水滴が添えられ、
源氏物語七帖紅葉賀の舞姿を彷佛させる心にくい演出がされている。

なお、硯箱とともに、本願寺本如上人伝来と記した
嶋田大和守の書状が残されている。

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    清水九兵衛 (清水柳景?〜1688)は、
  京都で五十嵐道甫(いがらしどうほ?〜1678)の 門下に入り、
  後に師とともに加賀の前田利常に仕えた江戸時代の名工である。

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